新聞記事
新聞に掲載された鈴木先生の記事を掲載しています。
2013年1月1日(火曜日)中日新聞 第3部 鉄言
選手長寿命化 今後さらに:名城大 鈴木正之名誉教授
年齢を重ねても活躍する選手が増えてきたのには、いくつかの理由が考えられます。
まず競技生活のベースとなるのが食べ物です。
トップ選手には栄養面で専門家のサポートがつく場面が増えてきた。
それだけでもずいぶん違いますが、いまでは栄養を補助するサプリメントも多く出ています。
例えば日本では1980年代からは徐々にプロテインが広まり、いまでは当たり前になった。
近年では吸収の早いアミノ酸のサプリも多い。
肉体を効率よくつくるには、ベテラン になるほどこのサポートの意味が大きくなります。
それに人工的な肉体作り、いわゆる筋トレが頻繁に行われるようになった。
スポーツの世界では80年代ころまで筋トレに対する偏見がありましたが、以降は徐々に浸透してきた。
プロスポーツ選手は目先の結果を求めたがる。
体の基礎を作るトレーニングはなかなかしたがらないことが多いですが、今ベテランと呼ばれる年代の選手たちは、スポーツを始めた若年のころから筋力トレーニングに慣れていた世代。
長い時間をかけて体づくりに取り組んできたからこそ、好成績を出し続けられるのでしょう。
40歳を超えれば、本来は体のあちこちに故障が出て来て当たり前です。
ただ補助的な手段で肉体を管理する事はできる。
私が自分でパワーリフティングに取り組んできた経験では45歳でも最盛期の9割のパーフォマンスを保つ事ができます。
実際の競技ではこれに経験が重なることを考えれば、今後さらに高齢のトップアスリートが出て来る可能性は高い。
メンタルの要素も入ってくる野球では50歳の現役選手が出て来てもおかしくないし、水泳や陸上といった分野でも、さらに競技年齢が高まると考えています。